2018年4月30日月曜日

寺社巡りと御朱印


1. GWに入りましたね。
 今年は、特にどこかに行く予定はないので、ブログの話題に困ります(笑)。少なくとも1か月に1度の更新を心掛けているのですが…。
 今日は、寺社巡りと御朱印の話題を…。
 

2.(1) このブログで、時々、寺社の話題をとりあげることがありますが、私は、昔から寺社を巡るのが好きで、また、一時期は、結構熱心に御朱印を集めていました。
      
今まで集めた御朱印帳の一部


(2) 御朱印を集め始めたきっかけは、小学生の頃、祖父に御朱印帳を買ってもらったことです。小学校の遠足(鎌倉)や修学旅行(日光)でも御朱印をいただいており、振り返るとびっくり…。当時は緩やかだったのか、しぶい趣味だと許していただいた記憶です。
 その後、中学、高校でも、修学旅行、家族や友達との旅行などの折に寺社をたずねると必ず御朱印をいただくため、御朱印帳は、二冊目、三冊目…と増えていきました。
最初の御朱印帳。
遠足でいった鎌倉や
修学旅行で訪れた日光でも
御朱印をいただいてます(汗)

祖父が、最初の御朱印帳に書いてくれました。
実は、御朱印の前は、
御朱印帳のようなもので
スタンプを集めていました。
祖父は、これを見咎めたのかもしれません
 

(3) 特に、小・中の頃は、子供が御朱印をいただくのは珍しかったのか、御朱印帳を差し出すと、目を丸くされたものです。もっとも、私のまわりでは、御朱印集めが次第にプチブームに…。
 とはいえ、最近、御朱印集めが脚光をあび、オークションに出品されることもあるとの報道に接し、びっくり。昔とはちがって、芸術的な(?)御朱印が増えているようです。
 三井寺では、御朱印帳の袋に絵を描いてくださって、感激。

(4) 現在、愛知県の文化財に関する集まりに入っていて、一年に一回、重要文化財をまわる機会があります。
 昨年の秋には、醫王山高田寺、妙興報恩禅寺、尾張大國霊神社をたずねました。
 昔ほど熱心にはできませんが、これからも、少しずつでも、寺社をたずね、御朱印をいただいていきたいなと思っています。
医王山高田寺(こうでんじ)は
720年に行基が開山した寺が
伝教大師によって、高田寺と名付けられたとのこと。
 
妙高報恩禅寺は、
臨済宗妙心寺派の寺院。
修行の中心であった時代の様子を
色濃く残しています。
尾張大國霊神社。
尾張の国の総社で
通称「国府宮」(こうのみや)。
本殿の中庭でみせていただいた
磐境(いわくら)が
このお社の歴史を物語っています。
はだか祭りで有名ですね。
    
右から、高田寺、妙興寺、国府宮の御朱印。

2018年3月25日日曜日

「新民法対応 契約審査手続マニュアル」


1. 週末、春爛漫。
 今年は、突然、春が訪れたような気がします。

 先週、ようやく、早咲きの名古屋市東区泉の大寒桜の並木道が濃いピンクにそまったと思ったら、桜通の枝垂れ桜や久屋大通のソメイヨシノ、コブシなども一斉に咲き始めました。


二葉館
ソメイヨシノとテレビ塔
コブシ
 
桜通の枝垂れ桜

2. いろいろとブログに書きたいなと思っている法律の話題もあるのですが、なにかとバタバタとして難しいです。
 とりあえず、改訂に関わった本の宣伝を…。
 10年前の平成20年2月に発行された『類型別 契約審査手続きマニュアル』は、私が、丁度、名古屋テレビで企業内弁護士をしていた頃購入し、参考書として職場に常備しておりました。
 一昨年、運よく、同書の改訂のために組成された愛知県弁護士会法律研究部契約審査チームに入れていただくことができました。私が担当したのは、「第10章 1」の「フランチャイズ契約書」の改訂と、新しく設けられた「第6章 3」の「キャラクター商品化許諾契約」の執筆です。
 同書の改訂にあたっては、名古屋で活躍されている企業の法務部の方々の貴重なご意見をうかがうべく、意見交換会や勉強会が開催されました。また、今回の改訂は、新民法に対応しています。同書の改訂に関われることができたのは、誠に幸甚なことでした。

 同書は、既に、本年3月1日に発行されています。是非、お手にとっていただければと思います。
https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E6%B0%91%E6%B3%95%E5%AF%BE%E5%BF%9C-%E5%A5%91%E7%B4%84%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E6%89%8B%E7%B6%9A%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB-%E6%84%9B%E7%9F%A5%E7%9C%8C%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB%E4%BC%9A-%E7%A0%94%E4%BF%AE%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E9%81%8B%E5%96%B6%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A-%E5%A5%91%E7%B4%84%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0/dp/4788283700/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1521969550&sr=1-1&keywords=%E5%A5%91%E7%B4%84%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E6%89%8B%E7%B6%9A%E3%81%8D%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB


2018年2月25日日曜日

杉本昌隆七段のトークショー ~藤井聡太六段と故村山聖九段の終盤力~


1. 週末に、大学院の口試がありました。私のゼミでは、全員、無事、修士課程を修了できそうで、ホッとしています。



2.(1) ところで、この週末には、藤井聡太六段の師匠である杉本昌隆七段のトークショーにもいってきました。


(2) 最近、将棋ブームですよね。
 私は、もちろん、観る将です。
 ただ、一応、俄かではなく(笑)、ニコニコで棋戦を中継するようになった頃から、時々みることはありました。でも、やっぱり、藤井六段の出現で、一気にみる回数が増えましたね。
 インターネット観戦が主ですが、実際に公開対局をみにいったことも、2度ほどあります。最初は、5年ほど前、ポートメッセなごやで羽生二冠がJT杯にでられたとき。羽生二冠は、見事、勝利され、なぜか、勝利された棋士だけが、なんと、観戦者全員と握手してくださった記憶です。2回目は、先日の朝日杯。東桜会館の2日目で、藤井四段(当時)が澤田六段と佐藤天彦名人に勝利され、驚天でした。



(3) ところで、私はまったく将棋をささないのかというと、ほんの少しさしていたことがあります(さしていたというほどのものでないかもしれませんが…)
 兄が小学校高学年、私が小学校低学年の頃です。当時、小学生男子の間で、将棋が流行っていたのでしょうか、兄が将棋にはまって、祖父に脚付きの将棋盤を買ってもらったことがありました。その頃、兄に、駒の動かし方と穴熊の組み方だけ教えられたのです。今思えば、兄は穴熊攻略を練習したかったのでしょうね。
 それから時がたち、兄が高校生、私が中学生の頃だったと思うのですが、突然、兄とその家庭教師によばれ、「指してみろ」といわれたことがあります。当時の兄の家庭教師は、東大の将棋部所属で、「駒の動かし方を知っているだけの初心者なら、王将だけで勝てる。」とおっしゃったようで、私に白羽の矢がたったわけです。私は、その頃には、穴熊の組み方もうろ覚えになっていましたが、何とか、穴熊囲いらしきものができたと思います。やることもなくなり、将棋を終わらすには、私が、相手の王をつまさなければならない…。でも、なにしろ、かつて兄とさしたときには、
100%負けていたので、つます技術はゼロでした(私が勝つというプログラムは組まれていない(笑))。どのように駒を動かしていたのか、まったく記憶はありません。ただ、最初に、一歩をとられたのを皮切りに、あっという間につまされしまいました。この体験は、強烈な衝撃だったようで、将棋や囲碁に強い憧れを残したのではないでしょうか。


(4) 話を杉本七段のトークショーに戻すと、お話はどれもおもしろかったのですが、一番印象に残ったのは、質疑応答で、故村山聖九段にふれたくだりでしょうか。
 杉本七段は、故村山聖九段とお年が近く、故村山聖九段は自分にも他人にも厳しかった等の思い出を語られた上で、藤井聡太六段の終盤力について、「よく、谷川浩司九段の光速の寄せに例えられるが、自分としては、村山聖さんの方が思い出される。」という趣旨のことをおっしゃられました。杉本七段は、村山聖さんのご両親と年賀状のやりとりをしており、その際、同じような趣旨のことを書いたことがあるともおっしゃっていました。「終盤は村山に聞け」とその終盤力をたたえられる村山聖さんですが、その現役時代は存じ上げません。でも、かつて、「聖の青春」を読んで、大泣きしたことがあった私は、思わぬところで早逝の天才と現在話題の天才とのつながりを聴くことができ、感激してしまいました。
 また、「藤井聡太六段が、『強くなることが僕の使命』といっているが、その『使命』はどこからくるものか」という趣旨の質問に対しては、杉本七段は「それは私が藤井にいっていることです。彼はあれだけの才能の持ち主なので、将棋を強くなる使命がある。今日のようにイベントにでたりするのは、私がやればいい。」等とおこたえてになっておられました。
 藤井聡太六段はきっと師匠のおっしゃる通り類稀なる才能の持ち主なのだろうと推察いたしますが、杉本七段のような素晴らしい師匠に恵まれたことも、藤井聡太六段の今日の活躍を支えているに違いない…と思いを致した週末でした。

トークショーでの杉本昌隆七段。
なお、「弟子・藤井聡太の学び方」も
面白く読ませていただきました。
特に、藤井六段の兄弟弟子の話が
心に残りました。

 

      2012年10月にポートメッセなごやで行われた
  将棋日本シリーズJTプロ公式戦
  (羽生二冠vs佐藤康光九段)。


こちらは、囲碁のイベントにて。
(2012年8月)
当時四冠だった井山裕太七冠。
囲碁も観戦するのですが
私にとっては、将棋よりも難しいです。

2018年1月9日火曜日

伊奴神社


1. 年始に早速あった連休も終わりですね。
 今日(日付がかわって昨日になりますが)、今年は戌年ということでテレビで紹介されていた「伊奴神社」(いぬじんじゃ)にお参りにいってきました。
 以前、このブログで、未年に羊神社をお参りしたことについて、書いたことがあります。
http://hisaya-avenue.blogspot.jp/2015/04/blog-post.html
 羊神社も、延喜式神名帳に「尾張の国山田郡羊神社」と記されている式内社とのことでしたが、伊奴神社も、延喜式神名帳に「尾張国山田郡伊奴神社」と記載される式内社だそうです。
 Wikiで調べてみると、尾張国山田郡には、式内社が19座あるようですね。

2. 伊奴神社の境内には、羊神社に色々な羊がいたように、犬がいっぱいということはありませんが、犬の石像がありました。
 その由来は、伊奴神社の案内板によれば、以下のとおり;

昔、庄内川がよく氾濫して村人が困っていた。あるとき、村人が山伏をもてなしその旨を伝えたところ、御幣をたててお祈りしてくれた。すると、その年は、洪水がなかったので、村人が不思議に思い御幣を開いてみると、中には、犬の絵と「犬の王」の文字が書いてあった。次の年は、洪水になった。山伏が再び訪れたので、村人が詫びると、「御幣を埋め、社をたてて祀れ」と教えられた。これが、伊奴神社の始まりと伝えられる。
 ちなみに、伊奴神社のご祭神は、
・素鳴尊(すさのおのみこと)
・大年神(おおとしのかみ。素蓋鳴尊の子)
・伊奴姫神(いぬひめのかみ。大年神の妃)
3柱とのことです。
 伊奴神社で、「開運いぬみくじ」をひいてみました。おみくじは、かわいい犬の置物に入っています。
伊奴神社の犬の石像。
石像のもとには、
犬の置物(おみくじの入れ物)が
沢山、置かれています。
 
おみくじが入っていた犬の置物。
縁起物なので持ち帰ってよいといわれました。

2018年1月7日日曜日

年が明けて…占い 考


1. 年が明けてはじめてのブログです。
本年もよろしくお願いいたします。

 

2. 今年、最初の話題は占いについて。
 私は、たまに(23年に一度くらい?)、路上で手相をみてもらうことがあります。
 占いをあてにしているかというとそうでもないといいますか、悪い気分になるのは嫌なので、必ず、最初に、「悪いことはいわないでくださいね。」とリクエストします。
 今年の年始に、家人と街歩きをしている際、「占い」のたて看をみて、久しぶりに、列に並びました。
 やっと、順番がきて、両手を差し出したところ、占い師さんに、「平凡な手相だな。」とぶっきらぼうに言われました。 嫌な予感がしたので、早速、いつものように、「悪いことは言わないでください。」といったところ、占い師さんは、「冗談じゃない。嫌だね。言いたいことをいうよ。悪いことももちろんいう。」といいます。少々迷いましたが、益々嫌な予感がするので、結局、占っていただくのをあきらめました。
 ところで、占い師さんに「平凡な手相」といわれましたが、私の手相は、両手とも、知能線と感情線が一本という「ますかけ」(「百握り」ともいわれます。)で、比較的珍しいといわれます。ですが、我が家の場合、同居の家族は全員「ますかけ」であり、その他の直系にも「ますかけ」がおりますので、占い師さんのいうように、実は、それほど珍しくないと思われます。
 また、「ますかけ」の手相の人は、運をつかめば天下取りまでも…?、つかめなければ……ということで、波乱万丈の人生を歩むとも聞きます。ある意味、怖いですよね。かの徳川家康の手相も「ますかけ」だったそうで、どこかで、その手形をみたことがあります。冒頭に述べたように私は何度か手相をみてもらったことがあるのですが、あまり良いことをいわれたことはないです(だから予防線をはっているのかもしれませんが…)。
 家人は、寒空のもと、一緒に並ばされた挙句、結局、占ってもらわないという決断にあきれるばかり…。「良いことだけ言ってほしいなら、占い料分払ってくれれば、言ってあげるよ。」ともいわれました(笑)。まあね。結局は、何事も自らの努力が大切…。占い師さんには、そのきっかけを期待していたのかも…。手相を日々研究しているのに、おみくじがわりにされては、やはり、かなわないですよね。新年早々、反省しました。

 

2017年12月24日日曜日

いわゆる外れ馬券事件 北海道事案の最高裁平成29年12月15日判決について


1.外れ馬券の購入代金が必要経費として認められるかが争われた北海道事案の最高裁平成291215判決について

(1) 以前このブログで、外れ馬券の購入代金が必要経費として認められるかが争われ大阪事案(刑事事件:最判平成27.3.10北海道事案(民事事件:東京地判平成27514日、東高判平成28421日)について触れたことがあります。
http://hisaya-avenue.blogspot.jp/2015/03/blog-post.html
http://hisaya-avenue.blogspot.jp/2015/05/blog-post_20.html
https://hisaya-avenue.blogspot.jp/2016/04/28421.html

 先日(平成291215)、北海道事案の最高裁判決がでました。

(2) 北海道事案の概要は、最高裁判決によれば、以下のとおりです。
 X(納税者)は、平成17年から平成22年までの6年間で、中央競馬のレースで、1節当たり、数百万から数千万、1年当たり合計3億円から21億円程度、馬券を購入し続けました。日本中央競馬会に記録が残る平成21年度においては、中央競馬の全レースのうちの約70.8%のレースで馬券を購入しています。
 その購入方法は、日本中央競馬会に登録されたすべての競走馬や騎手の特徴、競走場のコースごとのレース傾向等に関する情報を継続的に収集・蓄積・分析し、レースごとに、競走馬の能力、騎手(技術)、コース適性、枠順(ゲート番号)、馬場状態への適正、レース展開、競走馬のコンディション等の考慮要素を評価、比較することにより着順を予想し、予想の適度の高低と予想が的中した際の配当率の大小との組合せにより、購入する馬券の金額、種類及び種類ごとの購入割合等を異にする複数の購入パターンを定め、これに従い、当該レースにおいて購入する馬券を決定するというものでした。
 Xは、このような馬券の購入方法(大阪事案のようなソフトウエアは利用していない。)により、なんと、1年当たり約1800万円から約2億円の利益を得ていたというから驚きです。
 そして、Xは、平成17年分から21年分までの期限後確定申告と22年分の期限内確定申告を行い、その際、当たり馬券の払戻金に係る所得(「本件所得」)は雑所得に該当し、外れ馬券の購入代金は所得税法37条1項の「必要経費」に当たるとして税額を計算したところ、所轄税務署長は、本件所得は一時所得に該当し、外れ馬券の購入代金は一時所得に係る総収入金額から控除することはできないとして、本件更正処分等を行ったので、Xその取消しを求めて本訴提起に至りました

(3)  北海道事案の第一審(東京地判平成27514日)は、Xによる馬券の購入は、…一般的な競馬愛好家による馬券の購入の態様と質的に大きな差があるものとは認められ」ない等として、本件所得は一時所得であり、外れ馬券の購入代金は控除されないとして、Xの請求を棄却しました(X敗訴)。
 ところが、
控訴審(東高判平成
28421日)は、本件所得は雑所得に当たるとし、外れ馬券の購入代金は「必要経費」に当たるとして、第一審の東京地裁判決を取消しました(国の逆転敗訴)。
 これに対し、国が上告していたところ、最判平成291215は、国の上告を棄却し、控訴審判決を維持したのです(国の敗訴確定)。

(4) 最高裁は、まず、本件所得が一時所得、雑所得のいずれであるかについては、大阪事案の最判平成27.3.10が定立した規範(利子所得…以外の所得で、営利を目的とする継続的行為から生じた所得は、一時所得ではなく雑所得に区分されるところ、営利を目的とする継続的行為から生じた所得であるか否かは、文理に照らし、行為の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間その他の状況等の事情を相当考慮して判断するのが相当である)をあげた上で、「(2)」に書いた事実をあてはめました。すなわち、「X馬券購入の期間、回数、頻度その他の態様に照らせば、X上記の一連の行為は、継続的行為といえるものである。そして、Xは、上記6年間のいずれの年についても年間を通じての収支で利益を得ていた上、その金額も、…というのであるから、上記のような馬券購入の態様に加え、このような利益発生の規模、期間その他の状況等に鑑みると、Xは回収率が総体として100%を超えるように馬券を選別して購入し続けてきたという得るのであって、そのようなXの上記の一連の行為は、客観的にみて営利を目的とするものであったということができる。以上によれば、本件所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として、所得税法35条1項にいう雑所得に当たると解するのが相当である。」と判示しました。
 その上で、外れ馬券の購入代金が必要経費にあたるかについては、「そのような一連の馬券の購入により利益を得るためには、外れ馬券の購入は不可避であったといわざるを得ない。したがって、本件における外れ馬券の購入代金は、雑所得である当り馬券の払戻金を得るために直接に要した費用として、同法37条1項にいう必要経費に当たると解するのが相当である。」と判示しました。


(5) そもそも、通常、2分の1課税により一時所得の方がお得と思われるのに、なぜ、大阪事案や北海道事案の納税者は、一時所得ではなく、雑所得であると主張したのでしょうか。
 これは、一時所得においては、総収入金額から控除できる「収入を得るために支出した金額」は「その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた行為をするため、又はその生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る」とされているところ(所得税法34条2項かっこ書)、公的年金に係るものを除く雑所得において、総収入金額から控除できる「必要経費」(同35条2項2号)は、「直接に要した費用の額」のほかに、「販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」(同37条)も含まれるとされているからです。つまり、当たり馬券の払戻金を得るためにかかった経費として、当たり馬券の購入費のみならず、外れ馬券の購入費をも含めたいと思えば、雑所得と主張した方が有利だと思われるわけです。外れ馬券も含め、大量かつ網羅的に馬券購入に資金を投下したからこそ、当たり馬券の払戻金を得ることができたというわけですね。

 第一審が結論を異にした背景には、北海道事案のXは大阪事案のようなソフトウエアを用いていなかったことのほか(Xはインターネットを介して馬券を購入するA-PATは利用していました。)、第一審が指摘する「馬券の購入履歴や収支に関する資料が何等保存されていないため、X網羅的に馬券を購入していたのかどうかを含めてX馬券購入の態様は客観的には明らかでない」という事情があったように思います。
 一時所得に関する所得税基本通達については、前のブログでふれました。普通は、競馬で馬券をあてたことによるもうけは、一時所得ですよね。第一審も、「競馬は公営賭博であり、馬券の的中による払戻金の発生は、本来的に偶然性を排除することができない…そもそも競馬における馬券購入は営利を目的とする行為とはなり難い性質のものである」といっています。
 とはいえ、記録のある平成21年では、全レースの約7割で馬券を購入しているそうですし、6年連続で極めて巨額の利益をあげているのですから、やはり、大阪事案の最高裁の規範を素直にあてはめると、北海道事案の控訴審判決及び上告審判決の結論になるのではないかと思います。
 大阪事案では、100万円の元手で追加の資金投入はせずに多額の利益をあげていたそうですが、北海道事案のXは、どうだったのでしょうか。Xは、1節(競馬開催日又はこれが連続する場合における当該連続する競馬開催日を併せたもの等)当たり数百万円から数千万円の馬券を購入していたという認定ですし、大量かつ網羅的に馬券を購入しないと偶発的要素を減殺できるとは思えません。そもそも、情報を収集・蓄積・分析し、着順を予想するという部分が、それなりの労力を要するのではないかと想像します(具体的な想像はまったくできませんが…)。報道等によれば、Xには、別の定職があったようですが、どのくらいの労力を費やしていたのでしょうか。投下すべき資本がそれなりに必要だったり、情報収集・蓄積・分析にかなりの労力を要するとしても、大阪事案や北海道事案の納税者がそのノウハウを公開すると、公営賭博たる競馬の存立に影響を与えたりしないのでしょうか。また、そのノウハウは、他の分野に活かせたりしないのでしょうか。
 やはり、訴訟の争点とは違うところに興味が行ってしまいます(笑)。

3.クリスマスイブ

(1) 今日はクリスマスイブですね。
 今年のクリスマスツリーは、我が家にある4種類の飾りつけのうち、一番初めに揃えはじめたもので、赤、金、ガラス(含透明なプラスチック、クリスタルなど)を基調にしています。



 
    今年はツリーには、ちょっと地味なLEDライトをつけてみました(↑)

昼間は、日の光で
オーナメントがキラキラします。

   
長年、買いためた
クリスタルのトーナメント。
でも、意外に、ツリーに飾ると
普通のガラスのオーナメントの方が
きれいだったりします。

   
クリスマスイブの食卓。


(2) I wish you a Merry Chiristmas!

なお、過去3年のクリスマスツリーはこちら(↓)
ちょっとやばいですね(笑)。
押入れの一角をオーナメント類が占拠しています。
これ以上増やさないように気をつけています!
昨年
http://hisaya-avenue.blogspot.jp/2016/12/blog-post.html
一昨年
http://hisaya-avenue.blogspot.jp/2015/12/750-773-1-27-12-17-2-1-3-5-2-5-10-5-3-3.html
一昨々年
http://hisaya-avenue.blogspot.jp/2014/12/stap.html

2017年12月10日日曜日

自動運転


 今週、私が所属している愛知県弁護士会の情報法関連チームで、東京の弁護士会が設立した「AI部会」のメンバーを名古屋におよびして、自動運転等について、意見交換会をおこないました。
 まず、メンバー全員で、自動運転には不可欠な高精度3Dマップを提供しているアイサンテクノロジーと、名古屋大学未来社会創造機構を訪問しました。名古屋大学では、自動運転の現況について教えていただくだけでなく、「自動運転と法律」というテーマで、弁護士側からのプレゼンもありました。
 今週には、愛知県幸田町で、全国で初めて、公道で、遠隔監視しつつ、車内の運転席を無人にして乗用車を走らせる自動運転システムの実証実験(レベル4)が実施されるとの報道もありました。
 この分野の技術は日進月歩、法整備は未だこれに追いついているとはいいがたいですが、この時代を生きる弁護士としては、常に、こうした新しい動きにアンテナをたてていたいものです。
 
名古屋大学の自動運転車