1. 日付が変わって、昨日になってしまいましたが、徳川美術館が開館八十周年記念特別展として、「全点一挙公開国宝源氏物語絵巻」を開催するということで、式典&内覧会にいってきました。
2. 「源氏物語」は、紫式部が発表間もない頃から絵画化されていたとみられるものの現在まで伝わってはいないようで、今回の特別展で展示される源氏物語絵巻が、現存最古のものだとのこと。それも、54帖分すべてが残っているわけではなく、尾張・徳川家に伝来し、徳川美術館が所蔵する9帖15段分の詞書と絵(および絵が失われ詞書のみが残る絵合1段)と、阿波・蜂須賀家に伝来し、五島美術館が所蔵する3帖4段分のみが、約900年の時を経て、現在にまで伝わっているのだそうです(徳川美術館のパンフレットより。ただし、諸家に分蔵される詞書の数行の断簡等はあるそうです)。
今回の特別展では、「全点一挙公開」とあるように、徳川美術館および五島美術館所蔵の絵巻のほか、東京国立博物館や個人所蔵の断簡もみられます。
今回の特別展では、「全点一挙公開」とあるように、徳川美術館および五島美術館所蔵の絵巻のほか、東京国立博物館や個人所蔵の断簡もみられます。
3. 国宝源氏物語絵巻の原本を拝見するのは、今回が初めてでした。なにしろ900年ですから、経年による変化劣化は著しいものがあると思われますが、緑色や赤色が、比較的鮮やかに残っているところもあります。平安の色彩を復元した模写は、着物の柄や御簾に透ける様まで緻密に描かれていて、それらをみてから原本をみると、描かれた往時の様を想像できたりもします。
また、NHKニュースでも、取り上げられていましたが、特別展に先立ち行われた修復を通して下絵が発見されたところ、その過程もわかる展示となっていて、大変、興味深かったです。
また、NHKニュースでも、取り上げられていましたが、特別展に先立ち行われた修復を通して下絵が発見されたところ、その過程もわかる展示となっていて、大変、興味深かったです。
「全点一挙公開国宝源氏物語絵巻」のパンフレット |
4. 源氏物語「絵巻」なので、横長長大なはず…と思われるかもしれませんが、現在は、裁断されています。
式典では、徳川美術館の館長でいらっしゃる徳川義崇氏(尾張徳川家第22代当主)が、19代当主の徳川義親氏が裁断を敢行した際のエピソードなどを披露してくださいました。また、徳川美術館は、尾張徳川家の大名道具を基としていますから、これからも、大名の暮らしを感じることのできるような美術館を目指していきたいという趣旨のことをおっしゃっておられました。
特別展は、12月6日までやっているそうです。
式典では、徳川美術館の館長でいらっしゃる徳川義崇氏(尾張徳川家第22代当主)が、19代当主の徳川義親氏が裁断を敢行した際のエピソードなどを披露してくださいました。また、徳川美術館は、尾張徳川家の大名道具を基としていますから、これからも、大名の暮らしを感じることのできるような美術館を目指していきたいという趣旨のことをおっしゃっておられました。
特別展は、12月6日までやっているそうです。
徳川美術館&蓬左文庫の開館80周年記念式典 |