今朝の名古屋は、空が高く、秋の訪れの気配を感じさせられました。
先月(8月)24日から31日まで、愛知県弁護士会国際委員会のブラジル・サンパウロ視察旅行に参加してまいりました。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、在留外国人統計によれば、都道府県別在留ブラジル人総数のトップが、愛知県です(1位 愛知県 48,730人、2位 静岡県27,622人)。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001118467
愛知県の外国人住民数のトップも、ブラジル人です(平成25年度末現在、全体の24.6%)。
http://www.pref.aichi.jp/0000072886.html
愛知県で弁護士をしていると、在留資格や入管のサポート等で、在留ブラジル人の方の相談を受けることは稀でないといえるでしょう。
愛知県や静岡県に在留ブラジル人の方が多いのには、出入国管理及び難民認定法(以下、「入管法」という。)の改正(平成2年施行)により「定住者」(入管法別表第二)の在留資格を設けたところ、当該在留資格には、入管法上活動の制限がないことから、当面の就労を目的とした日系人が家族を伴って多数来日するようになったという背景があります。「定住者」という在留資格は、特に「我が国社会との血のつながり」を考慮した外国人の受け入れの枠組みであるとされます(法務省HPより)。入管法別表第二では、「定住者」を「法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者」と規定するのみですが、平成2年法務省告示第132号(いわゆる「定住者告示」)はこれを具体化しており、一定の日系人の方は、当該告示三号、四号に当たり得ます。
そして、ブラジルは、世界最大の日系人居留地であるとされます。2008年は日本人移民100周年にあたり、皇太子殿下がブラジルをご訪問されました。最近では、安倍総理大臣が、本年7月31日から8月2日にかけて、ブラジリア及びサンパウロを訪問されたばかりですね(日本の総理がブラジルを訪問したのは、小泉元総理以来10年ぶりとのこと。どこの日系訪問先でも、この話題がでました。)
前置きが長くなりましたが、今回のブラジル・サンパウロ視察旅行は、特に、ブラジルでの日系人の歴史及び現状に触れることができる大変良い企画であったと思います。
訪問した先は、以下の通りです(訪問順)。
・在サンパウロ日本国総領事館
・ブラジル日本商工会議所(Câmara
de Comércio e Indústria Japonesa do Brasil)
・ブラジル日本都道府県人会連合会(Federação das Associações de
Províncias do Japão no Brasil, KENREN)
・国外就労者情報援護センター(Centro de Informação e Apoio ao Trabalhador no
Exterior, CIATE)
・サンパウロ大学法学部(Faculdade de Direito da Universidade de São Paulo, USP)
サンパウロ大学の母体となった法学部は、市の中心部にあります。 |
・サンパウロ州第一審裁判所(Tribunal de Justiça do Estado de São
Paulo)
ジョアン・メンデス広場にあるサンパウロ州第一審裁判所。 トニア裁判官がとても親切に案内してくださいました。 |
・二宮正人弁護士のサンパウロ栄誉市民授与式(於 市議会講堂)
授与式の後には、立食パーティーもありました。 |
・ブラジル日本文化福祉協会(Sociedade Brasileira de Cultura
Japonesa e de Assistência Social)
・サンパウロ日伯援護協会(Beneficência Nipo-Brasileira de
São Paulo)
・ブラジル愛知県人会(Associação Aichi do Brasil)
・ブラジル日系移民資料館
・二宮正人弁護士の法律事務所
少し郊外にある瀟洒な邸宅が二宮先生の事務所です。 |
・JETROサンパウロ事務所
今回の視察旅行の訪問先は、CIATEに専務理事兼事務局長として赴任されている大嶽弁護士(愛知県弁護士会会員)にアレンジしていただいたものです。訪問先を通して、大嶽弁護士の現地社会でのご活躍を肌で感じることができました(総領事に日系ブラジル人弁護士と間違われたほどです。)
訪問の詳細については、事務所通信として、発信したいと思っています。
→ <後記>
ブラジル・サンパウロ視察旅行記を、事務所通信第3号に載せました。
ブラジルの裁判所、日本移民と日本在留日系ブラジル人、対伯投資とブラジルコスト等について、触れています。
ブラジルの裁判所、日本移民と日本在留日系ブラジル人、対伯投資とブラジルコスト等について、触れています。
国際委員会の視察旅行等は、毎回、その趣旨に大同小異はあれど、いずれも、弁護士活動の礎となるような貴重な経験を得る機会となっています。
ちなみに、これまでの国際委員会の視察旅行等についての感想等は、以下のサイトにあります。