2016年7月25日月曜日

津島神社の天王祭 "Tenno Matsuri"


1. 週末に、津島神社天王祭・宵祭を拝見する機会に恵まれました。

2. 津島神社は、津島牛頭天王社ともいい、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)を祭神とし、社伝によれば、欽明天皇元年(西暦540年)のご鎮座で、地元では、「お天王さま」と尊称されてきたとのこと。戦国時代、津島の北東に勝幡城を得た織田家氏神としたことで、有名です。
 境内には、豊臣秀吉が寄進したという楼門(重要文化財)や、秀頼が寄進したという南門などが現存しています。
 津島の「津」は「湊」の意ですが、津島は、室町時代から江戸時代にかけて、木曽川を通じて海まで通じる水運により発展し、川湊として栄えました。織田家は、その利権をおさえたことで、勢力を得たといいます。

3. 織田信長もみたという天王祭は、津島神社夏季大祭。夏には疫病が蔓延するので、牛頭天王(祇園精舎の守護神であり、蘇民将来説話にもでてくる神様。祭神であるスサノオノミコトと同一視されている?)を慰め、疫病退散を願った祭りだったといいます。 天王祭は、500年を超える歴史を有し、国の重要無形民俗文化財(*)に指定されており、「宵祭」「朝祭」「御葭流し神事」(みよしながししんじ)などの行事からなっています。
 宵祭では、二艘の船を固定し屋形を載せた巻藁船に真柱を立て、真柱には12個の提灯を下げ(1年の月をあらわす)、屋形の上には巻藁をおき、そこに300個を超える提灯を下げた竹竿をお椀型(半球形)に飾り付け(1年の日をあらわす)、屋形の前方には、赤い提灯を30個つけ(1カ月の日をあらわす)、天王川(丸池)をお旅所まで、渡るというものです。
 夏の長い日がとっぷりと暮れ、一頻りの花火に続き、沢山の提灯を揺ら揺らと川面に煌かせながら、5艘の巻藁船が、ゆっくりと、津島笛と和太鼓の奏楽とともに、池を渡っていく様は、幽玄そのものです!!!
 日本三大川祭の一つだそうですが、川面をわたってくる風は、上着を羽織るほど涼やかで、静かに進行する祭事はなんとも風情があって、とても、とても、素敵な夏祭りでした。

文化財保護法では、「衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの」を「民俗文化財」と定義し(同法2条1項3号)、無形の民俗文化財のうち特に重要なものを「重要無形民俗文化財」に指定できるとしています(同法78条1項)。昭和50年の同法改正により指定が始まり、平成28年7月現在、296件が指定されています。

 
 
On the weekend, I went to the "Tenno Matsuri", which is the summer festival of "Tsushima Shrine " (alias "Tsushima Gozu Tennno-sha") in Tsushima, Aichi prefecture.
The festival has over 500 year history, and has been designated as National Important Intangible Folk Cultural Property.
The highlight of the festival is "Yoi Matsuri  (the evening festival)".
In "Yoimatsuri", five "Makiwaribune", the boats decorated with over 300 paper lanterns appearing to be approximately semispherical as a whole, floated down the Tenno River.
The night view over 300 paper lanterns swinging on each boat, was really vanuerable and profound.


津島神社(Tsushima Shrine)。
右手に見えるのが楼門。
茅の輪くぐりもみえます。
話題の"Pockemon Go"についての看板
A billboard about the "Pockemon Go"

提灯にひとつひとつ火をつけて飾り付け。
Setting fire to over 300 paper lanterns one by one

巻藁船がわたるクライマックス。
The highlight of  "Tennno Matsuri",
"Yoimatsuri" 
 
 

 


 

2016年7月19日火曜日

ロンドンで開催された国際家族法会議("Culture, Dispute Resolution and the Modernized Family” by International Centre for Family Law, Policy and Practice)


 国際家族法会議76日から8日まで開催)に出席するため、73日から1週間ほど、ロンドンに行ってきました。世界各国の家族法研究者、裁判官、弁護士、ソーシャルワーカーなどが出席しており、国際家族法分野における現代の潮流について、肌で感じることができる貴重な機会だったと思います。
 ロンドンでは、国際家族法会議に出席したほか、
王立裁判所Royal Courts of Justice)、
ロンドン中央家庭裁判所Central Family Court)、
ロンドンの法律事務所International Family Law Group LLP)、
リユナイトreunite International Child Abduction Centre)の事務所
(ハーグ案件を含む国際家事事件を対象とする慈善団体)
などを訪問することができました。
 ロンドン訪問については、また、このブログか、事務所通信などの形で、もう少し詳しくお伝えしたいと思っています。

→ <後記>
        事務所通信第7号に載せました。
    http://www.hisaya-ave.com/jimushotsushin7/jimushotsushin7.pdf

I attended the conference on "Culture, Dispute Resolution and the Modernized Family” held by International Centre for Family Law, Policy and Practice, on July 6 - 8, 2016, in London.
During my stay in London, I could visit Royal Courts of Justice, Central Family Court, International Family Law Group LLP, reunite International Child Abduction Centre, and so on.
I am thinking of doing a more detailed report on my London visit later with this blog or other tools.

2016年7月1日金曜日

ハーグ条約に係るアジア太平洋シンポジウム“Asia Pacific Symposium on the 1980 Hague Convention” & 在名古屋ブラジル総領事館Consulate General of Brazil in Nagoya


1. 昨日行われた、外務省、ハーグ国際私法会議(HCCH)事務局、早稲田大学が共催する「ハーグ条約に係るアジア太平洋シンポジウム」に、午後の部だけですが、出席することができました

新幹線が遅延したため少々遅刻してしまいましたが、特に、ハーグ条約の子の返還案件にかかるADRと家事調停のデモンストレーションは、とても、興味深く、また、勉強になりました。
 
デモンストレーションは、ADRについては、大阪のADR機関の方が、家事調停については、東京家裁の方がやっておられたようです。
 
質疑応答で、家事調停における裁判官の役割や別席調停について、質問や感想が述べられたのは、印象的でした。日本の弁護士にとっては慣れ親しんでいる家事調停のスタイルですが、理解が難しい参加者もいるようです。以前参加したハーグ条約に係る共同調停(あっせん人)研修でも、オーストラリア側参加者から、質問が集中したことを思い出しました。

→ <後記>
        「ハーグ条約の基礎」事務所通信第7号に載せました。
   http://www.hisaya-ave.com/tsushin7-7.html
   PDF版はこちら。
   http://www.hisaya-ave.com/jimushotsushin7/jimushotsushin7.pdf
 

I attended the “Asia Pacific Symposium on the 1980 Hague Convention” yesterday.  The symposium was jointly organized by the Ministry of Foreign Affairs of Japan, the Hague Conference on Private International Law and Waseda University.
I was most impressed with a demonstration of mediation and conciliation.  Questions regarding conciliation (e.g. a shuttle mediation, a role of judge who is a member of a conciliation committee), made me consider that a style of conciliation, which is familiar to Japanese lawyers, could be hard to understand for participants from some countries. 
 
    
久しぶりの母校。
大学周辺の変貌にはびっくりですが
この景色は変わりません。


シンポジウムは
早稲田大学の大隈小講堂で開催されました。
(初めて入ったかも…)


2. 今日の午後は、国際委員会の企画で、在名古屋ブラジル総領事館を訪問しました。
 以前、このブログで触れたことがありますが、愛知県は、日本の都道府県で、在留ブラジル人の数がトップです。これが、市町村となると、浜松市がトップだとのこと。そこで、在名古屋ブラジル総領事館は、愛知県以西をまとめて管轄としますが、静岡県は、在浜松ブラジル総領事館が管轄としています。
 ブラジルでは、18歳以上の男性に兵役義務があり、また、18歳以上の国民全員に選挙の義務があるとのこと。これらの義務の履行の有無はパスポート・トラブルに発展することもあるそうで、ブラジル総領事館には、兵役課と選挙課があります。多くの日本人にとっては耳新しいことかもしれません。
 なお、ブラジルも認証不要条約に加入したため(日本は1970年に批准・発効)、今年8月14日より、日本の外務省の認証(Apostille)がそのままブラジルで利用できるようになるとのことでした。
 

I, as an international committee member of Aichi Bar Association, visited Consulate General of Brazil in Nagoya, whose jurisdiction is a western region of Japan.
As voting is compulsory for persons over the age of eighteen, and military service is compulsory for males over eighteen in Brazil, there are both voting section and military service section in Consulate General, which may be new to many Japanese.
After August 14th 2016, public documents issued in Japan with the “Apostille” (Certification from Ministry of Foreign Affairs) will be valid in Brazil because Brazil joined the Hague Convention (the Apostille Convention)