1. 今年も残すところあと僅か…。
今年を振り返ると、やはり、コロナですね…。経済、生活様式等に本当に大きな影響を与えました。冬の訪れとともに、恐れていた第三波が到来し、GoToトラベルは全国的に一時停止となり、感染力が強いという変異種の情報も飛び込んできました…。日本国内でのワクチン使用に向けた承認申請など前向きな情報もありますが、なかなか先行きが見えない状態に心が塞がれる思いがします。
戦争を経験しているような人生の大先輩数人からは、「長いこと生きてきたけどこんなことは初めて…」との感想を聞くことも…。
とはいえ、「アマビエ」が話題になったように、これまで、人類は、疫病と闘ってきたのかもしれません。
現在のところ、コロナ禍に対しては感染予防を心がけるくらいしか私にできることはなく、どうか早く収束しますようにと、心より、心より、お祈りするばかりです。
2.袴田事件
袴田事件の第2次再審請求特別抗告審で、最高裁第3小法廷が、再審開始を認めなかった東京高裁決定を取り消し、同高裁に差し戻す決定をした(最決令和2年12月22日)との報道に接しました。
袴田事件について、詳しいわけではないのですが、死刑を宣告した一審判決にかかわった元裁判官の合議の秘密を破る発言も相俟って、なかなか扉が開かない再審の行方には注目しておりました。その元裁判官も先月亡くなられたようですが…。
上記決定は、ざっとしか拝見していませんが、やはり、林景一裁判官、宇賀克也裁判官の反対意見は、心に残りました。
「多数意見は、原決定を取消すという限りでは、私たちの考え方と方向性を同じくするところがある。しかしながら、私たちは、多数意見を一歩進めて、みそ漬け実験報告書は、確定判決の有罪認定に合理的な疑いを生じさせる新証拠であり、また、多数意見と異なり、B鑑定についても、再審を開始すべき合理的な疑いを生じさせる新証拠であると考える。そして、私たちは、確定審におけるその他の証拠をも総合して再審を開始するとした原々決定は、その根幹部分と結論において是認できると考える。このような理由から、単にメイラード反応の影響等について審理するためだけに原裁判所に差し戻して更に時間をかけることになる多数意見には反対せざるを得ないのである。」
この反対意見にでてくるように、今日における刑事訴訟における証明の程度は、「合理的疑いを超える(beyond a reasonable doubt)」証明が必要だとされます。伝統的に用いられてきた「高度の蓋然性」基準が肯定的評価を積み重ねていくアプローチであるのに対し、「合理的疑いを超える」証明基準は否定的評価を消去していくアプローチであるとされます(田口守一『刑事訴訟法』)。
3.今日は、クリスマスデイ。
I wish you all a Mary Christmas !
今年のツリー |
気をつけながらのイブの食卓 |